投稿日:2020年6月7日
副業を始めたばかりの方で生活費と事業費が一緒になっているものを見落としている方はいないでしょうか?これを見ているあなたは副業といえど事業を行っている一人の事業主です。しっかり家事按分の知識を身に付け節税をしていきましょう。
①家事関連費と事業関連費を分けて経費計上できるようになる
②明確な根拠と裏付けを用意し税務調査時に説明できるようになる
③合法的に節税できるようになる
副業始めたての方で『俺(私)経費全然ないんだよね』といいう人がたまにいます。
会社員が副業を始めると経費の考え方が曖昧な場合が多いです。
そこで、よくそれ経費になるの?と言われるものがあります。家事按分に係る費用です。
家事按分とは自宅で仕事をしている場合に、事業費と生活費が混合して請求されるもののうち、事業で使用した部分を経費として計上することができることをいいます。
家事按分の経費計上を説明する前にこのグレーゾーンを知っておかなければなりません。
そもそもグレーゾーンとは何かというと
納税者が『この支出は事業のために必要な経費だ』という言い分(白)と税務署側の『これは個人的な支出ですよね』という言い分(黒)が対立するようなものを言います。
『家族旅行のお金を経費に入れちゃえ』などは完全に黒です。
グレーゾーンとは黒を白に見せかけるようなものではなく、言い分の違いにより生まれるものであることを知っておかなければなりません。
たまに『領収書があるから経費に計上しても良い』と思っている人がいますが、それは間違いです。
お店側は領収書を出してくれと言われたから出しただけであってその領収書が事業のための支出であることを説明できなければ経費にはなりません。
例えば大人数で行った飲み会のお会計が10万円だったとして、領収書を貰っていたとしてもその10万円の支払いをあなたが一人で払ったことを税務署側に合理的に説明できなければならないのです。
先にグレーゾーンを説明したのはこの家事按分がグレーゾーンの焦点になりやすいためです。
そこで家事按分の根拠を税務署に説明するために事業使用割合を明確に定めておく必要があります。この事業使用割合の定め方は合理的であれば何でもいいのですがよくある定め方を紹介しておきます。
自宅家賃などの計算によく使われる計算方法です。
計算方法:事業の利用面積÷家の総面積
家の総面積は賃貸借契約書に記載されていると思います。事業用の利用面積などはメジャーなどで計っておきましょう。
平面の面積は(㎡)を使います。これは縦と横を計ってかけるだけなので事業用の面積が縦3m×横2mであれば事業用面積は6㎡ということになりますね。
共用部分は事業部分と生活部分で按分します
例:家賃150,000円、総面積50㎡、事業用15㎡、生活用25㎡、共用10㎡
事業用:150,000×15㎡/50㎡=45,000円
生活用:150,000×25㎡/50㎡=75,000円
共用:150,000×10㎡/50㎡=30,000円
30,000円×15㎡(事業用)/40㎡(事業用+生活用)=11,250円
よって45,000円(事業用)+11,250円(共用事業部分)=56,250円が経費計上額となります。
使用時間で按分する方法は電気代や電話代、インターネット利用料などの計算によく使われます。
電気料金10,000円で1日24時間あるうちの事業の時間が9時間だったとします。
この場合に経費計上できる金額は10,000×9時間/24時間=3,750円となります。
ただ副業の場合は労働時間がバラバラになることが多いので合理的であれば概算で計算しても問題ありません。
これは自宅にあるコンセントの差込口の数を数えて事業で使っているさ差込口の数で按分する方法です。
電気料金10,000円、コンセントの総数15個、事業利用数6個の場合
10,000×6個/15個=4,000円となります。
電気代の計算方法は②の使用時間でも計算できますがどっちの方が多く経費計上ができるか計算して選択してみるといいでしょう。
車の減価償却費やガソリン代の按分に使います。
この方法は使用している車が1リットルあたり何キロ走れるのか・車の使用の都度何キロ走ったのかを記録しなければなりません。
車の総走行距離から事業で利用した走行距離で按分します。ガソリン代も同じ比率で按分することができます。
正直この方法はめんどくさいですね(笑)
車やガソリンの計上はこちらの方が分かりやすいですね。
ひと月の中で仕事に使った日数・プライベートで使った日数及び全く使わなかった日数を把握し按分する方法です。
以上のように参考例を挙げてきましたが、その他の方法でも問題ございません。
何度も言いますが、合理的で明確な根拠や裏付けがあることが大事なのです。
①住宅ローンの元本
②敷金
③所得税や住民税等の税金の納付
住宅ローンの元本に関しては経費にならないのですが、減価償却費・住宅ローンの金利・火災保険料・固定資産税などは按分して経費計上することができます。
住宅ローン控除との兼ね合いもあるので考えることは他にもありますが、ここでは割愛させていただきます。
♦サラリーマンの場合
給与ー所得税額控除ー控除=課税所得
♦個人事業主の場合
売上ー経費ー青色申告特別控除ー控除=課税所得
★課税所得×所得税率=所得税
この仕組みを見て分かるように個人事業主になると経費を使えるようになります。
経費を使えるようになるという事は課税所得を下げることができます。
課税所得が下がれば所得税が下がるのは一目瞭然ですよね!
節税という観点から言うと経費をいかに計上するかが肝になってくるので家事按分をしっかり理解して上手に節税していきましょう。